2008-04-25

過去の教訓から  NO 2185


 随分と昔の話だが、大阪市立瓜破斎場へ到着し、ご読経が終わり炉の扉が閉められようとした際、「**のオジサンがいない!」との女性の声でストップが掛かったことがあった。

  当時に携帯電話という便利な物はなく、皆サンそれぞれがバスの中からの記憶からご出棺時にまで遡り、やがてバスには乗車されていないことが判明。オジサン はご自分の車にご自身のファミリーを乗せられて出発されたそうで、他府県から来られていたので道に迷っておられる可能性もあった。 

「ご到着までお待ちいたしましょう」ということになり、5分経っても到着されず、それから2分後に喪主様の「もう、結構です。お願いします」のお言葉から扉が閉められた。

 さて、その車のオジサンだが、信号で遅れ、道に迷われ、そのまま他府県の自宅へ戻られていたことをその日の夜に知った。

 タクシーが2台、マイクロバスも2台を準備、「自家用車はご遠慮ください」とお通夜の時からお願い申し上げ、それぞれの乗車整理表とカードを準備していたことから私や弊社の責任問題にはならなかったが、そんな光景を火葬場でいっぱい目にしてきた体験がある。

  マイクロバスに空席がいっぱいあるのに「自家用車を出される方が多い」のも葬儀という場の特徴と言える。信号一回のストップでどれだけ多くの車が流れ込 み、霊柩車を見失ってしまうことは当たり前の話で、「霊柩車とバスの間に入って走行ください」と配慮しても難しいのが他府県ナンバーの車。「後ろを付いて いきます」と仰って行方不明になられた方がどれほど多かったことか驚く数字なのである。

 宮型の霊柩車から洋形のワゴンタイプになってからは余計に見失うパーセンテージが高くなったが、それをフォローしてくれるのが携帯電話で、電話で誘導したことも山ほど体験をしている。

 最近は、火葬場の近くに料亭風のお店が増え、そこで「御斎」のひとときというケースが多くなったが、火葬場からそこへ誘導する仕事が増えたことも確かなようだ。

 司会という立場は、葬儀の開式からご出棺までを担当するものと考えるべきではなく、上述のハプニングなどが発生しないように情報の把握と伝達ということも重要なのである。

  開式前の説明で式次第について触れるが、その際に自家用車の問題、そして火葬場では拝顔できない旨をソフトに伝えることも大切だ。また、ご当家の宗教に関 して「焼香の回数」などの作法を説明することもあるが、参列者それぞれの宗教でお考えになる問題であり、回数の強制は司会者として絶対にやるべきではな く、会葬者が多いケースで「一回焼香を!」とアナウンスしている司会者は本物ではないと言えるだろう。

 こじんまりとしたお寺や地域の会館などの場合、暑い、寒いという問題から焼香の流れを早めにという配慮は悪くないが、それらは一般な常識ある人達なら「心を込めた1回焼香」をされる筈だし、司会者が言うべきことではないと考えたい。

 拝顔についてだが、瓜破斎場の場合、3年ほど前までお柩のお顔部分の扉を開け、炉に収める前に拝顔してお別れすることが出来たが、当時のご記憶をそのまま思い込んでおられるお方もあり、「どうして焼香だけしか?」という問題に発展する危険性も孕んでいる。

 昨日、本社で行われた葬儀でも他府県ナンバーの車が3台ほどご出発されていたが、無事故で遅れないようにとお見送り。2台のバスに空席があるのを確認しながら、ふと感じたのが地球環境問題。これからの時代、そんなことも考えなければならないだろう。

 今夜のお通夜の様子を見に本社へ行った。我が家から往復すると2キロの距離、健康のために歩くことも大切。式場に入ると、女性らしいご祭壇に上品そうなご遺影が印象的だった。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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