2008-05-12

気をつけたいですね  NO 2201


 雨が降り、この季節にしては珍しいほど肌寒い日が続いたが、晴れると一気に初夏の風を感じることになるだろう。

 今や葬儀会館という専門式場が多くなり、エアコンの恩恵が当たり前のようになっているが、境内にお墓のあるお寺でのお通夜や葬儀は大変で、何より困るのが「蚊」の大群に襲われることである。

 ハンドマイクで左手に代読中の弔電を持つが、ふと見るとその手に縞模様の「やぶ蚊」が採血中ということが何度もあり、いつも「ムヒ」や「キンカン」などの虫刺されの塗り薬を携帯していた。

 我々男性はまだ楽だが、スカートの女性は大変、いつも虫が寄り付かないガードスプレーを振り撒く行動となる。

 それらはスタッフだけではなく、ご遺族、ご親戚から参列者、そして受付を担当される葬儀委員の皆様からのご要望もあり、あちこちに蚊取り線香を設置する作業も増え、それらを安全に管理することに神経を遣うのも常だった。

 血液型が「O型」の人が刺されるパーセンテージが高いとテレビで観たが、私はその典型的なタイプのようで、これからの季節の悩みの種となっている。

  お通夜や葬儀には多くの人達が参集されるが、そこで火災につながる「火の元」の扱いには細心の注意を払いたいもの。弔問者が帰られ、その後でご親戚の方々 も帰られ、夜を徹されるご遺族の方々だけになるわけだが、保険会社や消防関係者の分析によると、線香、ローソクを原因とする火災の発生は想像以上に多いそ うで、仏壇の線香、ローソクにも注意したいものである。

 お通夜で「線香とローソクを絶やしてはいけない」というのは全国的に常識として知られているが、室内の無風状態のところでも10分も持たないローソクの交換は大変で、「24時間大丈夫」というローソクが歓迎されているのも事実である。

 また、線香も4時間ぐらい持つ「巻き線香を!」というお客様をおられるが、どちらも考えてみれば「便利さ」から誕生したものであり、その背景には「横着」という問題が秘められているのも事実で、一部のお寺さんから「ダメです」とご指摘を受けることもある。

 ご看病でお疲れの状態ということは当たり前、そのうえに親戚や弔問者へ神経を遣われるご遺族の立場、それは、想像以上に大変なストレスを伴うもので、次の日に迎える葬儀のことを考えると「寝られないでしょうが、少しでも横に」とアドバイスをしてしまうのである。

  若かりし頃に担当したお通夜でのご法話で「お通夜は夜通しが本義です。線香とローソクを絶やさないようにと言われていますが、実は、絶やすべきではないと いうのは満中陰を迎えるまでの49日間ずっとなのです。『中有(中陰)香を食す』と言って、大切なお食事と考えたら分かりやすいでしょう」と説かれ、それ を後年に著した愚書の中に書いた記憶もある。

 風習や慣習さえも合理的な考え方で変革されてしまうことも少なくないが、そこに至ったプロ セスを忘れないようにし、そんな長時間型のタイプを用いる場合、「ごめんなさい、横着ですけど許してね」と手を合わせていただければ、故人もお疲れのご家 族に対して「ちょっとでも休め。明日の葬儀、しっかりと頼むぞ」と仰られると信じたい問題でもある。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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