2009-03-26
是非、検査を! NO 2376
朝の9時から予定されていた頚部のエコー検査が午後に変更、午前中のリハビリが始まる時間まで「お風呂へどうぞ」と案内があり、急いで着替えを用意して浴室へ向かった。
現在の病院に転院してから今日で8日目、これまでにシャワータイムが2回あったが湯船に入るのは初めてのこと。温度や痛覚を感じない左半身が果たしてどうなるかと思いながらシャンプーを済ませ、身体を洗ってから背中を流して貰い、それから湯船の中へ入った。
大阪弁に「けったいな」という言葉があり、「変」「おかしな」「不思議な」などを総合したような意味だが、正にその言葉通りの不思議な感触、右半身は温か く感じて如何にも「お風呂」だったが、左半身は完全な水風呂状態。あまりの心地悪さに我慢しきれず、3分ほどで外に出た。
数日前、OT の先生に洗面所のところで指導いただいたことがあった。それは、熱い湯を出しながら両手を洗うということ。一方の手が温度を感じなくとも一方が感じ、脳に 誤解を生じさせることもひとつの治療手段だそうで、それからすると入浴も重要なリハビリということだろう。
ネットでリハビリについて調べてみたら、面白い情報があった。電気を使って刺激を与える方法で、電流の強弱で細胞がショックを感じて動き始めることもあるとのこと。そんなところから自宅前の銭湯の電気風呂が最高では、なんて発想になって退院後に楽しみが増えた。
廊下に携帯電話が許されたコーナーがあるが、そこで数人の患者さん達と顔馴染みになあり、それぞれの方の発病時の様子やリハビリ体験を伺ったが、今日、2人の方が3ヶ月も入院していると知って驚いた。
一方の方は右半身の麻痺、やっと杖を手にゆっくりと歩ける状態になられたそうだが、もう一人の方は外見からは麻痺なんて一切感じられず、不思議なので聴いてみたら「記憶が消えてしまってね、家族のことさえ誰か判らなかったから参ったよ」とのこと。
脳疾患とは本当に恐ろしくて残酷な病気である。今まで普通だったものが、ある瞬間から全く別の状態に陥ってしまうからで、笑えない語呂だが「昨日」までの 「機能」が崩壊されてしまうことになり、私自身もそれを痛切に感じ、救急車で運び込まれて初期治療を受けていた際の情景を思い出してしまった。
「これ、何だ?!どうなったのだ?」「頭をやられたのか!」「もう、終わりかも!」なんて思いを抱きながら天井を見ていたが、その時の酔っ払ったみたいな状態が今も続いているので困ったものだ。
自主的に廊下を歩く。その間に様々なスタイルで懸命に歩いている人達がおられる。誰もが機能回復を願って努力しているのである。そんな光景の中で自身がまだ軽い症状であったことを知る。それは疾患の発生した部分からすると奇跡的だと喜ぶべきとも言えるだろう。
深夜にナース・ステーションからナース・コールのチャイムの音が聞こえる。どこかの部屋の誰かが自分で出来ないことの救いを求めているのだろうし、時折に 救急外来患者を乗せた救急車がやって来る音も聞こえる。人生は、どこでどのように変化が訪れるか分からない。ある高僧が説かれた「死は、前方からやって来 るのではなく、後方からやって来るもの」という言葉が脳裏を過ぎる。
脳疾患の代表的な要因は高血圧、動脈硬化、肥満、運動不足、喫煙だそうだ。皆さんも健康のための節制生活の中で「MRI」検査を受けられるべきと申し上げる。