2009-06-30

体験から  NO 2465


 退院してから初めて電車に乗った。駅に設置されているエレベーターを利用するのも初めてのこと。

発病前、改札口で電車の到着を知れば、階段を3段ぐらいを跳んで上がっていたことが嘘のよう。大阪環状線なら3分から4分で次の電車が来るのに、その時間を勿体なく感じてしまう。だから年老いた身体で牛若丸の真似をしていたのである。

まだ目の調子が悪く、車窓から見える動く世界が何とも苦痛。ずっと目を閉じて座っていたが、杖を手にして優先座席に座ることになるとは想像だにしなかったことである。

 今日一日で歩いた距離は、約4キロ。途中で知人の経営する店の前を通ったら「車で送ろうか?」と言葉を掛けてくれたが、歩くこともリハビリなのでと丁重に辞退した。

 夕方、病院に行っていた友人からの電話。途中で明日に退院される女性と交代され「再会を楽しみにしているから」との言葉。ずっと車椅子生活を続けられている彼女、近々に行われるという障害者キャンプのお世話の成功と幸せを祈念して手を合わせた。

 本館、西館とスタッフ達が飛び回っている。事故がないよう、そしてミスがないようにと手を合わすことばかり。それは、自身の身体がまだ本調子から遠いという焦りもあるからだ。

 6月も明日で終わり、大雨の降る梅雨の最中、弔問や会葬に来られる方々も大変だが、参列者が多いとパーセンテージがアップする傘の間違い事件が発生しないようにと願ってしまう。

 スタッフから電話、ご親戚の方が宿泊されるホテルのこと。雨のこともあり、式場から近いホテルが提案されていたようだ。

 明日も断続的に雨が降るようで「局地的に雷雨」という予報も出ていたが、参列者全員が式場の中に入れるのでホッとしている。

 我が大阪の御堂筋に在する「新歌舞伎座」が今日を以って閉館となり、来年には上本町に出来るビルの中で開館されるとのこと。約50年の歴史があるそうだが、遠い昔に何度か入ったことがあるので懐かしい。

 今日の冒頭の話題に戻るが、自動販売機で切符を買えないお年寄りの姿を目にしたし、多くの人々がカードや携帯電話で改札口を通る情景を見ながら自分の老後を思い浮かべることにもなって寂しくなった。

  世の中が便利になるのは結構だが、そこには「やさしさ」が大切である。病院生活の中で多くのことを学んだが、たった一人のために義手や義足を「作る」人達 が存在することも知った。それは本当に目立つことのない地味な仕事だが、決して作業ではない「創る」という愛の仕事だと確信した。改めて障害ある人達に幸 あることを願って手を合わす・・合掌
久世栄三郎の独り言(携帯版)
携帯で下のQRコードをスキャンするか
 または
携帯に下のURLを直接入力します。
URL http://m.hitorigoto.net