2009-09-22

社会の裏側で  NO 2540


 時代は流れ変わるもの。昔、百貨店の中に結婚式場を紹介するコーナーがあった。専門式場やホテルの資料を用意し、画面で見られるシステムを構築、新郎新婦になる人達が座って眺めている光景を何度か目にしたことがあった。

 その窓口業務に従事され、やがて会社の方針に抵抗感を抱かれて退職された方がおられたが、その話の内容に衝撃を覚えた。

 式場やホテルから手数料を得るビジネスだが、若い新郎新婦達を自社の利益が高いところへ引っ張らなければならず、心苦しく思いながら仕事をしていたと後悔までされていたので同情申し上げた。

 会社の慰安旅行には紹介先に対し、競うように祝儀を持参させたそうだが、当時のホテルはブライダルフェアなどの自社イベントに積極的ではなく、こんな紹介会社に依存する姿勢があったことも事実である。

 ホテル関係者との交流の多い私だが、ホテルマン達に紹介ビジネスが下降線を描くとアドバイスしたのは結構早く、新郎新婦が紹介料の存在を知り出したら直接ホテルを訪れると考え、様々な提案をしたことが懐かしいところだ。

 そんな紹介ビジネスは、やがて葬儀の世界にも波及し、インターネットの登場によって形式が変化、会員を募って葬祭業者を下請け化する傾向が目立ち、その囲い込み戦略の裏側には上述のブライダル以上の怖さが秘められているとも言えるだろう。

 ある同業者からの電話、一年ほど前から誰もが知る大手スーパーが始めた葬儀の紹介ビジネスについて悩んでいるとのこと。そのやりとりの中で手数料が4割という言葉にびっくり、それは本当だとしたら、さすがにスーパー・マーケットらしい発想だと思ってしまう。

 そんな組織と契約している葬儀社があるとは信じられないが、世の中は様々、自身の仕事に誇りを抱かない業者達が下請けで結ばれているのも事実である。

 奇しくもテレビで「おくりびと」を放映していたが、今や「何でもあり」という葬祭業界の現実に爽やかな風を流してくれたような気がする。

 人生の終焉の儀式は大切なもの。なぜならそれぞれの異なる人生があったから。前にも書いたが、それをスーパーやコンビニに託す発想が私には理解出来ないし、二重の悲しみにならないようにと願ってしまう。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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