2011-09-23

南国行き2  NO 2702


 ホテルの部屋から海が一望出来たが、台風の余波からか、桜島は雲に覆われて見えず、錦江湾には白波が目立っていた。

 指宿の言えば何より「砂むし風呂」が有名だが、午後9時を回ると混雑すると聞き、夕食終えた午後8時過ぎに行った。

  前回に行った「いわさきホテル」の「砂むし風呂」は熱くて、若い女性が「我慢出来ない。熱い!」と5分ぐらいで飛び出た光景を目にしたこともあったが、白 水館では適温で、20分ぐらい経過しても大丈夫な程。身体の上に乗せられる砂の重みが何とも心地よく、そのまま眠ってしまいそうになったぐらいだ。

 先に上がってから元禄風呂に入り、妻や友人達を待つ間にフットマッサージを受けたが、続いて座らされた健康マッサージチェアの売り込みセールスが大変で、正直言って相手をするのに疲れてしまった。

 ノルマが課されているようで、115000円の定価を今日は105000円にすると現実的な値引きの話まで出てきたが、友人が首に掛ける肩凝りを解す健康用具を購入したと後から聞いた。

 白水館には焼酎で名高い「森伊蔵」が驚くほど置かれてあり、焼酎好きの友人が数種類を飲んでいたようだが、その酒造の経営が大変だった頃、このホテルがバックアップしたという話も耳にしてきた。

 過去に何度か書いたおかしな日本語だが、このホテルのスタッフからも聞かされた。夕食時、点火ライターで着火した際「土瓶蒸しになります」と言ったからだが、熱くなって変化するのだからおかしくないのかな?と考えさせられた。

  昨号で触れた素晴らしい運転手さんのことを書いておこう。次の日に大阪へ戻らなければならなくなったことから、二日目の日程を変更、少しでも大阪へ近付い ておこうとホテルを出発。玄関でタクシーの手配を頼んだら「相席で」と乗ることになったのがジャンボタクシーで、何と一組で500円だったのでびっくり。

  指宿駅で「いぶすきたまてばこ」の指定券を早い時間に変更しようと確認したら、生憎と満席で、勧められたのが料金が安くなる「立ち席」特急券で、近鉄特急 みたいだと思ったが、こんな身体では絶対に無理だし、利用すれば他の乗客に要らぬ負担を掛けることにもなると考え、変更せずに指宿で時間を過ごすことにし た。

 駅に居ても仕方がない。そこで2時間ほどと頼ったのがタクシーだったのだが、この運転手さんの親切な解説とフットワークの軽さには感銘を受けた。道端に咲く花の名前から歴史まで驚くほど勉強されているし、誰も行かない特別な穴場にも立ち寄ってくださった。

  最南端の大山駅で黄色いポスト前で写真を撮影、幸せを呼ぶと言われる鐘も鳴らしたが、そこから長崎鼻まで走行し、話の種にと案内看板の文字に誤字があるこ とも教えて貰った。「錦江湾」が「綿江湾」になっていたのだから面白いが、その道中の車内で信じられない行動があった。

 ちょうどサツマ イモ畑の真ん中を走行中だった。料金メーターが5000円になったところでメーターを止め、「キャンペーン中ですのでここから先は頂きません」と言われた からだ。そして穴場である「砂むし風呂」に入られたらと勧められ、「お待ちしますから」なんて信じられない話。あまりにも甘え過ぎによう気がして遠慮した が、昼食のお勧め場所として連れて行ってくださったのが指宿駅の裏側にある蕎麦屋さん。ここで過ごした時間も素晴らしい思い出となった。

 そして「いぶたま」で鹿児島中央駅まで戻り、「さくら」で熊本まで行き、「つばめ」に乗り換えて目的地のホテルに向かった。

 そのホテルには私が何度もお世話になった整体師さんがいる。あちこちの病院で直らなかった頚椎の痛みを「日本手拭」一本で瞬時に治して貰ったことが三度。そして酷いギックリ腰も一回で楽にして貰ったことがあったからだ。

 また、お気に入りの料理屋さんにも行きたかったこともある。入院している時、辛いリハビリに耐える思いを募らせてくれた一つがこの料理屋さん。大牟田駅近くにある「一歩」であった。

 もう20回以上行った筈だが、いつも注文するものは同じ。鮭と牛肉のステーキで、食した瞬間に<生きていてよかった。ここに来られてよかった!>と、幸せ感に包まれた。

 そしてホテルに戻り、予約してあった整体師さんの治療を受ける。「太られましたね」と言われて恥ずかしくなったが、杖を手にしなければならない病気の経緯を知られ、「それだったら奇跡みたいな回復ですね」と言われたので嬉しくなった。

 彼の技術は本当に素晴らしい。ガチガチになっていた左肩が楽になったし、難儀していた右の目が不思議にも視力アップしたように感じるので有り難い。

  今回の背景には、私のある挑戦もあった。それは、車に乗せて貰うことが苦痛であったことをクリアすることで、じっと目を瞑ってフラフラになりながら乗車し ている時間を少しでも耐えられるようになることことだったが、何とか目を開けていることが出来たので一歩前進という結果ともなった。

 結びに、二日間、一緒に付き合ってくれた友人夫妻に心から感謝し、この南国の旅のページを閉じるが、人生での不思議な出会いに手を合わす旅ともなったことを記しておこう。
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