2011-11-17
こんなことも! NO 2755
昨号で書いたハプニングだが、どちらも大阪の阿倍野区にある葬祭式場「天空館」での出来事。天空館を何度も使ったことがあるが、そこでは不思議なことに、何かハプニングが発生するので大変だ。
最も衝撃的な出来事は前にも書いたことだが、こんなこともあるのだと改めてしたためておこう。
その葬儀、1時間半の予定だったが、この90分というケースでは二通りの時間設定があり、例えば1時から2時半、そして12時半から2時ということである。
その日、九州から女性司会者が研修で来社することになっていたが、体験させた方がよいと考え、前日にスタッフからメールで式場の天空館の地図を送信させていた。
彼女が式場に到着したのは開式の30分ほど前だったが、初対面の挨拶を交わしてから10分ほど経った頃、私には不安な心情が生まれていた。時計を確認すると開式まで20分。なのにお寺様が到着されないからだ。
こんな場合には最悪のケースを想定するのが私の流儀で、すぐにスタッフを集めて「おかしい」との思いを伝え、万が一の場合のシナリオについて緊急打ち合わせに進んだ。
経験からすると、もしもお寺様が30分の時間を勘違いされていると予測したら、式場に到着されるのは20分ほど前が一般的。つまりその場合には開式時間を10分オーバーされて到着されることになり、それからお着替えに10分としても20分の遅れが確実となる訳だ。
まず接待担当スタッフに命じたのは、お茶をすぐに飲めるように適温にすること。熱すぎると少し冷えるまで飲めないので時間が経過してしまう。
次に担当責任者に命じたのが、お寺様が到着された際、時間を勘違いされていることを一切知らせないようにすること。そして、参列者が多いと申し上げ、少し早めにご入場をとお願いすることだった。
続いては開式時の「奉儀」を担当する女性スタッフ達だが、彼女達に5分前から始める形式を定刻になってから始めると変更を伝えた。
そして、全てのスタッフに頼んだのはお寺様の姿が確認出来たら私に知らせることと、お着替えを済まされてご入場の準備が整ったら知らせて欲しいということだった。
開式5分前、当たって欲しくなかった想像が的中したようで、お寺様のお姿は一向に見えない。担当責任者がやって来て「どうやら当たったようですね。でも、 どうして予想出来たのですか」と言ってきたが、ただ長年の経験から生まれた「勘」だと返しても、内心はアドリブのことばかり考えていた。
やがて定刻の開式時間。奉儀から始まった臨時特別バージョン、二人の女性スタッフに急遽創作した原稿でナレーターをさせたり、用意していたナレーションの前後にアドリブを入れ、会葬者の皆さんに何とか20分を退屈させないようにと努めた。
お寺様が到着されたと連絡があったのは、予想通り10分過ぎ。そこで安堵感が生まれてアドリブを追加。ちょうど20分オーバーの時点でご導師、法中のご入場となった。
そんなハプニングによるシナリオ変更は誰もご存知なく、勿論、お寺様にも秘密だったが、後日にご当家に参上した責任者によると、ご遺族から「参列された方々から素晴らしい葬儀だった。との電話があった」と仰ったそうで、そこで疲れがどっと来た忘れられない出来事である。
そうそう、研修に来られていた九州の女性司会者さんだが、ご出棺をお見送りした後、「大阪のお葬式は素晴らしいですね。感動しました。開式前にあんなひと ときがあるなんて、初めて知りました」と言われたが、私も初めてと返し、それがハプニングからだったと打ち明けると改めて驚かれ、彼女のブログ 「MAMADIARY」にその衝撃の体験が綴られることになったが、今では懐かしい思い出である。