2012-01-11

手を合わすこと  NO 2807


 朝から強風が吹き冷え込んでいた。間違いなく風邪の症状を感じ外出を止め、今日の葬儀とお通夜には申し訳なくも参列出来なかったが、明日の葬儀には何とか参列をと考えている。

  北海道で氷点下24、8度を記録したニュースがあった。それがどんな寒さなのかは体感しなくては分からないが、娘ファミリーがアメリカに在住していた時、 屋外に駐車していた車の中にあった缶コーラが凍って破裂したという話があり、それが氷点下20度の世界だと聞いたことを思い出した。

 当時に初孫が通っていた幼稚園だが、氷点下13度までなら屋外に出して遊ばせると聞き、思わず身震いしたこともあるが、その孫もこの春には中学生となるので私自身が齢を重ねた感じを抱くのも当たり前のことだろう。

 こんなことを書いた背景には明日の葬儀に関係があり、合同葬で送られるお方は、私の娘が学生時代にアルバイトをさせていただいていた会社であるからだ。

 喪主様が関係される団体の葬儀で葬儀委員長を務められたこともあり、火葬場を往復する車内で伺ったお話を鮮明に憶えているが、それは、時代の流れの中にあって先見性の高い内容であった。

 先代様の社葬を担当させていただいたご仏縁もあり、どうしても参列をしなければと考えている訳だが、この「独り言」を打っている段階では症状が随分と治まってきたようなのでホッとしている。

 さて、JR福知山線事故の山崎社長に対する無罪判決が下されたが、ご遺族にとっては怒りの対象であった人物が無罪とは到底理解し難いことと拝察申し上げ、改めて被害者となった多くの方々に手を合わせる。

 前々号「臆病であれ」で書いたが、安全は企業の経営者の謙虚な姿勢で保持されると考えたいし、旅客事業に従事する人々や車のハンドルを握る人は「もっと臆病に!」と伝えたくて仕方がないのが葬儀社である私の思いである。

 我が国の社会は何やら悪い方向へ変化してしまったようでもある。そんなことを象徴するような事例があるので書いておきたい。

 現役時代は何千回と火葬場を往復したが、その途中に大きな神社があり、正月の初詣の人達の姿を何年も目にしてきた。

 子供連れの家族や振袖を着飾った若い娘さん達も多いが、皆さんはご自身の幸せを祈願されるために初詣に行かれているのだろうか。ひょっとして、中には世界平和を願って手を合わせている人もおられるかもしれない。でも、何か大切なことを忘れていないだろうか。

 今から20年前頃、そんな人達の多くが霊柩車に向かって手を合わせておられた姿を見かけたが、近年、その姿を全く見ることがなくなってしまったからだ。

 神社、仏閣の存在は敬虔高い世界であろうが、目の前の不幸で自身の「生」を知ったり「死」を学んでいただければ何よりだと思うし、人生の尊さとはそんなところにあるような気がしてならず、昨年の大震災の恐ろしい現実で大切なことを学んだ人も多かった筈。

 偶然に目に留まった霊柩車に向かって自然に手を合わす姿、それは、本当に美しい人間の姿である。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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