2012-03-18
やはり! NO 2875
去りゆく冬の厳しさと、やって来る春の穏やかさが鬩ぎ合う早春は、いつの季節にもまして一日一日を愛しい思いで迎えますが、そんな早春に逝かれる人の思い出は、一入心深いものがございます。
これは、こんな季節の司会フレーズの一部だが、お昼時に行われた葬儀に参列。昨日に書いたご住職と再会、息子さんとお二人の声明(しょうみょう)的なご読経に、不謹慎な表現で恐縮だが、心地よい響きを感じさせていただいた。
声明は天台宗や真言宗などで知られるが、我が大阪の平野区に本山がある「融通念仏宗」をお開きになった「良忍上人」の高度な声明の世界も有名で、耳にする人々の心の扉を自然に開かせてしまう効果が秘められているようだ。
お通夜とご葬儀にあって、ご謝辞をされた喪主様のお言葉の内容が素晴らしく、故人がきっとお喜びになっただろうと拝察する。
昔、400名様ぐらいのお寺様の組織団体に招かれて講演をさせていただいたことがあったが、その際にこの声明について触れ、我々葬儀の司会を担当するプロの世界にあって、「声(せい)は動(どう)を変える」という比喩でお話し申し上げたら、会場がどよめくことになった。
参列者が行う「焼香」にあって、耳から入るご読経によって動作のスピードが異なり、浄土真宗系で焼香が進められる「正信偈」の場合と、浄土宗のご読経の場 合とでは、同じ香炉台数でも人数が変化するという体験談を話したのだが、どなたも「初めて聞いた」「初めて知った」「考えたこともなかった」と驚かれたの で印象に残っている。
声明とは「梵音」とも呼ばれ、古くから口伝として継承されて来た仏教音楽だが、文献によると我が国では「大原魚 山」のことが有名で、魚山とはお寺の「山号」名で、大原寺となるものだが、この地は「八瀬童子(やせのどうじ)」の歴史で知られ、天皇の即位式や大喪の礼 などの「輿」を担当する職務を継がれ、現在でも「葵祭」では欠かせない存在になっている。
前述の「良忍上人」もこの地で声明を学ばれたと伝わっているが、文化伝承の地として誰もが知る京都に、こんな一面もあることを教えられたことがあるのでしたためたところである。
さて、過日、若いスタッフ達にサービスについて2時間ほど話したことがあったが、その際にホテルサービスについて幾つかの体験談を話すと、一人の女性ス タッフの表情から「そうなのです!」というように感じるので、帰宅してから妻にその事実を伝え、今日、式場で本人に確認したら思った通り、超一流として知 られるホテルに勤務していた歴史が分かった。
言葉遣いや仕草が洗練されており、入社時から「彼女は普通じゃないよ」と妻に語っていたが、そんなもやもやが一気に晴れ、ちょっと早く春を迎えたような思いがした。