2012-10-10
忘れられない日 NO 3071
高齢社会になって「死」に関するテーマが採り上げられることが増え、数年前の「おくりびと」という映画も話題になったが、今上映中の「高倉健」さん主演の「あなたへ」も海への散骨が重要なキーワードになっている。
散骨を「海洋葬」として表記している葬祭業者も存在するが、それは、あくまでも納骨の方法であり「葬儀」ではないので誤解が生じるのことはプロなら避けるべきと考えたい。
関東に在住する塾生の一人が、過日に亡くなられた流通ジャーナリストの「金子哲雄」さんの葬儀に触れ、その見事な「終(つい)」のありかたに感銘を受け、 もしも塾長である私が司会を担当していたら「人生のカーテンコール」として拍手を贈るような告別式になっていたかもしれないと書いていて驚いた。
彼女は、実際に拍手を贈った葬儀を手伝っていたこともあり、きっとその時のことを思い出したのだろうが、今「グリーフワーク」について真剣に勉強しているそうで、今後の研鑽を期待している。
さ て、友人に貰った映画の情報パンフを開いたら、老老介護や老人を相手にする闇金などをテーマとする「任侠ヘルパー」というタイトルの映画に目が留まった し、来月に封切される「役所広司」さん主演の「終の信託」という映画のあらすじに興味を抱き、ここにそのまま転載しておこう。
『「最期の ときは早く楽にしてほしい」。心肺停止状態に陥る最愛の人。「愛」と「医療」の狭間に揺れる呼吸器内科の女医は重大な決断を下す・・・・3年後、その決断 が刑事事件に発展するが・・・。「Shall We ダンス」以来16年ぶりの共演となる草刈民代と役所広司、周防正行監督が贈る』
是非観に行きたいと思っているが、どうも目の調子が悪くて映画は大変のよう。過去に目が不自由になると「鬱陶しい」と友人に聞いたことがあるが、自分がそんな体験をしてその意味が理解出来たこの頃である。
今日は、私のこれまでの仕事にあって忘れることの出来ない方の「前夜式」が行われた日であり、改めて8年前のことをここに記しておこう。
お通夜ではなく「前夜式」と書いたのは、無宗教形式だったからで、式場は阿倍野区の天空間だった。
ネットからご仏縁を頂戴し、スタッフが2回「事前相談」に参上したお客様だったが、ご逝去されて葬儀のご依頼があったのはファクシミリで、初めで最後という言葉そのものの出来事だった。
記憶するままにしたためさせていただくが、朝方に気付いたFAXには次のように書かれていた。
『存命中にご相談をさせていたたいておりました母は、午前0時過ぎに安らかな眠りにつきました。お忙しいとは存じますが、お手隙の時で結構でございますので、当家にお越しくださいますように・・・』
この「独り言」のページには同業者や葬儀の司会者の訪問も多いようだが、こんなFAXでご依頼があったなんて誰も信じないだろうし、私をはじめ弊社のス タッフ全員が固まってしまったのは言うまでもなく、忘れられない「語り草」は、ある意味お母様へのお供養につながるのかもと勝手に考えている。
前夜式、そして次の日の「告別献花式」で重視したのは「命の伝達」と参列者全員が参加していただくこと。そこで両日とも「献唱」を願うシナリオを描いたが、和服を召された上品なご表情のご遺影が今でも鮮明に思い出される・・・合掌
今日の写真は、ある告別献花式の際の式次第と参列者にお持ち帰りいただいたシール。故人がお好きだった花のことを書き、「これからの皆様の人生にあられて、この花がお目に留まったら、故人のことを思い出してくださいましたら・・・」なんてこと添えていた。