2012-10-11

サービスの知恵  NO 3072


 所用が重なり本館で行われていたご葬儀には参列出来なかったが、西館で行われていたお通夜の弔問に行き、手を合わせてきた。

 行く前から雨で道路が濡れていたが、ご読経が終わる前に大きな雷鳴と同時に大粒の雨が降り出し、ご弔問の皆様のご帰宅のことが心配になった。

 故人は詩吟に造詣深いお方で、地域の女性部長さんとしてご活躍された歴史もあり、見事に生き抜かれた98年間のご生涯の一部をメモリアル・ボードで偲ばせていただきながら、15年前に私が司会を担当したご当家のご葬儀のことを思い出していた。

 女性スタッフ達がお茶とお手拭サービスを行っている。お茶は冷たいものと温かいものが用意されているが、出す前に味について確認するのが大切な仕事。ただお茶の色だけというものを出してくれる葬儀社もあるが、「さすがに高級葬儀だ」とのお言葉を頂戴したいものである。

 お手拭は「香り」のチェックが重要。変な香りのするものをお出ししたら最悪。そんなことばかり言うのでさぞかしスタッフから嫌われていると想像する。

 参列者席のお一人が咳き込んでおられる。誰か気付かないのかと思ったら、女性スタッフの一人がお盆に載せたお茶を出し、その方が恐縮されている光景となってよかったが、そんなサービスこそが周囲におられる方々もホッとされることを知りたいもの。

 飲食店で食事をする。店内を担当するスタッフにじっと見詰められている「視線」を感じるサービスは最悪。そんなことを一切感じさせず、客が何かを求めたら瞬時に対応してくれるサービスが究極ということになるだろう。

 サービススタッフは「背中に目を持て」と教えているが、体感に勝るものはなく、過去に体験したサービスを伝えることで学びの伝達になる。

  知恵とは知識と過去の体験から学んだことの集大成として生まれるもの。もう30年ほど前の体験だが、ある人物と昼食をと東京の帝国ホテルの地下にある日本 料理の「なだ万」に入ったが、当時のてんぷら定食が「松・竹・梅」とあり、先方さんが勝手に一番高いものを注文してくださったが、チラッとメニューを確認 したら一人前「12000円だったので驚愕。しかし、その時に担当してくれた仲居さんの動きと配慮には感心し、これがサービスだと二人で話し合った出来事 が懐かしい。

 仲居さんがさりげなく横を通られる。しばらくすると少なくなったお茶の補充をしてくれるし、二人が食するタイミングが異なるのも当たり前だが、それに合わせて天ぷらを出してくれ、それらに視線を感じなかったことが何より素晴らしかった。

  弊社に元ホテルマンだったスタッフが何名かいるが、私が過去にあちこちの一流ホテルのスタッフ研修をしていた事実を知って驚いている。「なんで葬儀屋のオ ヤジの話を?」と疑問を抱いているようだが、葬祭業に従事する者はホテルマン以上の資質が求められるというのが持論で、ホテルの語源はラテン語の「ホスピ ターレ」で、葬儀という仕事にこそ「ホスピタリティ」が重要なのである。

 今日の写真は、ある一流ホテルでスタッフ研修をしているひとこ ま。総支配人からの依頼で担当したが、壇上に上がったら上述の社員達のように「なんで葬儀屋のオヤジの話を?」という表情が見え、君達はサービス業失格だ と冒頭で話し、気持ちよく話させてやろうというサービス精神が欠如していると指摘。約1時間半の講義だったが、終わってから別室での追加講義を求められ、 それが2時間ぐらい要することになったので予想以上の反響となった。
久世栄三郎の独り言(携帯版)
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