2013-01-04

影響されたこと  NO 3150


 今日は「仕事始め」の日。そこで「仕事」と「作業」について考えてみたい。

 様々な世界に「プロ」の存在があるが、その人達に共通することは手抜きや妥協をしないということ。マンネリの中に発生するミスの恐ろしさを熟知し、自身の仕事に誇りを抱いていることになろう。

  過去にベンチャーズの音響を担当していた友人が、モニターの故障でコンサート終了後に控え室に謝罪に行った際の「君が謝る必要はないよ。あれは機材の故障 だ。機材が謝ればよい」と返したリーダーの逸話を書いたが、昨日のネットのニュースの中に発刊された書物のことが掲載され、その中に「天才バカボン」など の作者で知られる「赤塚不二夫」さんの逸話が紹介されていた。

 少年雑誌に連載されて人気の高かった「天才バカボン」だが、原稿の締切日前日に受け取りに行った担当者がうっかりとタクシーに置き忘れて行方不明になった事件である。

 担当者がその事実を知らせて謝罪をしたら、赤塚さんは「まだ時間がある。飲みに行こう」と共に飲みに行ったという。

 それは信じられないミスを犯した相手を叱責することなく行動された優しい人物観が滲み出る出来事だが、戻ってから徹夜で作品を書き上げられ、「二回目だからもっとよい作品になったよ」とまで仰り、締め切りに何とか間に合ったそうである。

  その後日談も紹介されていた。一週間後ぐらいに発見された紛失原稿だが、「君に上げるよ」と担当者自身にプレゼントされたそうで、それからそれを戒めの対 象としてずっと35年間も大切にされていたらしいが、赤塚さんがご逝去されたことを機にご遺族に返されたと結ばれていた。

 担当者はマンネリの中で仕事ではない作業をしてしまったからミスが発生したものだが、それを誰もが拍手を贈りたくなるお人柄で対応された出来事は素晴らしく、冒頭のベンチャーズの逸話につながる出来事のような気がする。

  ベンチャーズの話を友人から聞いてから、私もそんな人間になろうと考えて現在に至る訳だが、被害者になりながら一切怒りを出さなかったことでどれだけ自身 が幸せな気持ちになれたかは言い尽くせないほどのもので、人の世は「借り」よりも「貸し」を作る方がよいと学んだ人生訓ともなっている。

 高知県のタクシー事件、全日空機内の水溜り事件、東京のホテルでの信じられない出来事、またCTスキャンを受けた際の造影剤点滴ミス事件などについては過去に書いたが、今日の結びに入院時に体験した信じられない体験談を書いておこう。

  救急車で運び込まれて入院となった私だが、嚥下障害から食事が摂れず、点滴だけで10日間を過ごした頃、担当の医師から「点滴には限界があります。直接胃 に栄養剤を入れます」と言われ、その問題などについて説明を受け、署名してから処置されたのは鼻から管を入れるというもの。出来るだけ細いものを頼んだら 対応くださったのだが、それは、新たな事件に発展することになった。

 栄養剤を入れるというのはポタージュみたいなものを点滴みたいな感じで胃に流し込むという処置だが、細い管が災いしたみたいで、2日後に薬を入れる際に詰まってしまったのである。

  その担当者であった看護師さんは横着な性格。入っていた管を抜き取り、別の管を持って来たのはよいが、「もっと細かったよ」と伝えると、また別のものを持 参してくれ、やがて鼻から入れようとしたので「前回は先生にサインを求められてからされたよ」と言うと、「私は慣れていますから大丈夫です」と言い切り、 鼻から入れたら口から出て来たのだから驚くやら気持ち悪いやら。

「ごめんなさい」と言われてやり直したのだが、「これで大丈夫です」と言われても何か胃の中で変な感じ、どうも胃壁に当たっているように思えたからだ。

  そんな体感を訴えると、「大丈夫です」と言われ、聴診器を腹部に当て、管に空気を送って「シューと聞こえますから」とも言われたが、「でもおかしな感じが する」と返すと、管には鼻の入り口に当たる所で線が入っています、ちょうど合っていますから大丈夫です」と聞く耳持たずの対応。

「胴の長い人も短い人もいるのでは?」と抵抗したが、そのまま変更することはなかった。
 その深夜、管から血液が逆流してベッドが真っ赤になった。それは、胃壁から出血したものだった。

 医療ミスの被害者に何度もなったこれまでだが、すべてを宿命を受け入れて来たこれまでの人生。故に生かされているのかもしれないし赤塚さんの「これでいいのだ!」いう言葉は名言だと思っている。
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