2013-01-26
懐かしい客船 NO 3177
かつて関西汽船という会社が存在し、天保山と別府を結ぶ観光客船で知られていた。そんな会社も来島ドッグの経営傘下に入った時代もあったが、今は商船三井グループになっているようだし、大阪と大分を結んでいたダイヤモンドフェリーと統合しているみたいである。
今では大型のフェリーばかりとなってしまっているが、客船時代は独特の雰囲気があり、「くれない丸」「むらさき丸」「こばると丸」「あいぼり丸」「すみれ 丸」に乗船体験があるが、娘が幼稚園に通っている頃、別府から大阪へ向かう「こばると丸」で忘れられない思い出がある。
出航してからすぐに「ご乗船有り難うございます。本日は風が強くて波が高く、豊後水道ではかなりの揺れが予想されますので、お手荷物などにご注意ください」との船内放送があった。
それから10分も経たない内に激しく揺れ始め、すぐに船酔い状態になってベッドにダウン。しばらくすると窓側のテーブルに載っていたポットや湯飲みが滑って床に落ちた。
3000トンの小さな船。しかし人気の高い客船らしく、事務長が各部屋に挨拶にやって来る。気持ち悪い状態で扉をノックする音に気付き開けたら、船長みた いな服装をした事務長が立っている。「新婚旅行でいらっしゃいますか?」と問われた瞬間、窓側の椅子に座っていた娘に気付かれ、失礼申し上げました」と謝 罪された。
若く見えたようで間違われたみたいだが、ポットや湯呑茶碗が落ちて割れたことを伝えたら、「すぐに片付けますから」と対応してくれた。
夕方の出航でレストランでの夕食予定もあったが、そんな状態では食欲も失せ、ただぐったりと横になっているだけであったのに、不思議なことに娘がケラケラ と笑いながらご機嫌な様子。それは、床に置いていたトランクが揺れに合わせて移動するからで、時には壁や扉にぶつかるのを興味深く見つめていた。
我々夫婦は立つことも出来ず、娘の食事のことをどうするかと気掛かりだったが、乗船前に港の売店で買ったクッキーなどのお菓子があったので助かった。
中学校の修学旅行で高松へ行ったが、その時に利用したのも関西汽船で、高校生の時には過日の号で書いた沖縄航路の「浮島丸」が懐かしいが、青春時代に九州旅行をした帰路に乗った「るり丸」という2000トンの客船のことも覚えている。
3000トンクラスの船の所要時間は14時間と少しだったが、「るり丸」は松山に寄港して20時間を要したので大変だった。船内の設備はあまりにも古めかしく、乗船したと同時に<これで20時間も過ごすの!>と後悔したが、おやじギャグならぬ大変な航海でもあった。
大型のフェリー「さんふらわあ」となってからも何度か利用したが、前述の客船時代になぜか郷愁を感じてしまうので不思議。九州出張が多かったところから、 小倉、苅田、新門司、志布志、宮崎から利用したこともあるが、揺れないという条件付きで、時には船旅もよいものである。
そうそう、関西 汽船の3000トン客船の初代だった「くれない丸」だが、リニューアルされて今は横浜湾クルーズ船として活用さている。「ロイヤルウイング」として人気の 高い企画で話題を呼んでいるが、最も高額の「ロイヤル」コースを利用すれば二人で25万円。専用のデッキや限定だがロールスロイスでの送迎も付いているそ うだ。