2013-01-31
悲喜こもごも NO 3182
JR九州が秋から走らせる超豪華列車「ななつ星」が話題を呼んでいる。一編成で28人という定員で、1泊2日コースで1人15万から。3泊4日コースでスイートを利用すれば二人で110万円というのだから我々庶民にとっては夢の世界である。
中国の富裕者層やドバイなどアラブ諸国の人達までターゲットとしているようだが、予約募集を始めたら反響が凄く、信じられないほど高い倍率となっているそうなのだから驚いた。
そんな旅は宝くじにでも当たらなければ無理だが、これなら行けそうだという観光列車の企画があった。
これもJR九州が同じ「水戸岡鋭治」氏に設計デザインを依頼して3月24日から走らせるものだが、新八代と川内(せんだい)間を結ぶ「おれんじ鉄道」の観光列車「おれんじ食堂」という企画。「九州の西海岸を往く動くレストラン」というキャッチコピーが目に留まった。
特徴としてはスローライフを売り物にしているそうで、景勝地はゆっくりと走行しながら観光アナウンスに耳を傾けるひとときを重視しており、沿線の7つの街と結ばれるデリバリーサービスも考えられている。
それぞれの街の人達との交流や特産品を入手することも出来るし、記念フォトサービス、記念乗車証の発行や郷土料理にホカホカ御飯まで提供されるそうだ。
乗車時間は3時間前後だが、区間運賃、座席指定料金、食事、飲み物から停車駅での食のエンターテイメントを含めて昼の発車なら「12800円」。夕方の発車なら「14600円」と案内されていた。
定年退職を迎えた団塊世代もターゲットにされているのだろうが、格安航空潮流の一方に、こんなゆったり企画に人気があるのも確かなこと。時間、暇、予算の三拍子が合致すれば、様々な世界が存在しているのも事実。
一方で、大阪と新潟を結んでいた急行「きたぐに」が引退となった。特急「日本海」が引退した後も存在していたが、寝台車両の他に普通座席の車両もあり、ス キー客の利用などで人気があった。我が国内から「ブルートレイン」と称された列車がなくなってから久しいが、世の中が便利になるとその裏側で衰退を余儀な くされることがあるのを忘れたくないもの。
山陽新幹線の開通で関西と九州を結ぶフェリーの利用が急激にダウンしたし、本州と四国を結ぶ 橋の完成で多くの船舶の仕事が消滅してしまったこともあったが、明石と淡路島を結んでいた「たこフェリー」は、自治体の中途半端な支援対策話に翻弄され、 惨めな結末となった出来事は余りにも気の毒だった。
JR西日本も様々な割引企画を打ち出している。「ノリノリ企画」なんて信じられないぐらいの内容である。航空機、鉄道、ホテルなど、今や表玄関から正規料金なんて考えられない時代となった。ネット社会の到来は、ありとあらゆる分野に変化を及ぼしているようだ。