2014-04-20
こんなことも NO 3613
クリスチャンの葬儀は教会で行われることが大半だが、何度かご自宅で担当させていただいた体験もあった。
そ んな中で忘れられない出来事があった。司式を担当される方から「これを」と預かったのがカセットテープで、式次第に合わせて讃美歌の伴奏が収録されている ので流して欲しいと言われたのだが、順番通りに収録されていないのだから大変。今みたいにCDではないので早送りをしなければならず、もしも間違ったら大 問題。記載されていた番号に合わせるために流れる数字を確認しながら近付くとイヤホンで頭出しをする。
そんな綱渡りみたいな裏方を務めたので大変だったが、そこそこ讃美歌を知っていたので何とかなったという事情もあった。
しかし、開式前に気付いて「これは何かの間違いでは?」と思う讃美歌が1曲入っていた。それは、司式者から手渡された式次第からすると参列者の献花のBGMに流される2曲目だったが、参列者数からすると間違いなく次の曲に入ってしまうところから再度確認することにした。
その曲は我が国では大晦日に歌われることで知られると言えばお分かりだろうが、ベートーベンの第九「歓喜の歌」であり、葬儀という場でそんな曲が流れたら大変なことになると伝えた訳である。
「よく気付いてくれた。実は、もう一本ある葬儀用のテープと間違って持って来てしまったようで、それなら式次第通りに収録されているし、その曲も入っていなかったのだけど」
そんな裏事情を打ち明けてくださって何とか問題の表面化は防げたが、順番に振り回されたことは体験したことのない疲れとなった。
「神父さん」「牧師さん」という呼称があるが、前者はカトリック、後者はプロテスタントで、社員に間違わないように「プロボクシング」という言葉で教えたこともある。
あ るカトリックの教会で葬儀を担当した際、前夜式が始まる前に神父さんから教会に於ける七つの秘跡について教えていただいたことがあった。それは、洗礼、堅 信、聖体、贖罪、病者への塗油、除階、結婚で、一つ一つの意味まで教えてくださったが、随分昔のことなので記憶が曖昧となってしまっている。
カ トリックの教会で行われた葬儀で強烈に印象に残っているのはある会社のトップだった方の合同葬。打ち合わせに参上した際、喪主を務められた息子さんが大事 そうに出されたのはカセットテープ。その中にはご生前に録音されたというご本人のご挨拶が入っており、葬儀の中で流すことになったのだが、「本日はご会葬 いただきまして有り難うございます」から始まった謝辞は、参列された誰もが驚嘆されたのは言うまでもないが、その充実した内容がお見事というレベルだった ので賛辞されていた。