2015-12-29

ピアノの詩人  NO 4419

ショパンの像数日前、NHKのBSの番組で5年に1度開催されるショパン国際ピアノコンクールに関して、もう一つのドラマが繰り広げられている一面を特集していて興味深く観た。

それは70数名の参加者達が選択するピアノのメーカーの問題で、ピアノの王様と称される「スタインウェイ」の他に我が国の「YAMAHA」と「KAWAI」があり、もう一つはピアニストが創業してから40年未満なのに注目を浴びているイタリア製のピアノ「ファツイオリ」で、それぞれのメーカーがフォローしている調律師の世界も凄い戦いとなっていた。

「YAMAHA」の戦略の中に参加者達が宿泊するホテルの全ての部屋に練習用として電子ピアノをセッティングしたことにびっくりしたが、YAMAHAが世界で売り上げ一番のピアノメーカーになっていることに驚き、KAWAIがヨーロッパでピアニスト達の人気が高いことも初めて知った。

3次予選をクリアして10人だけが最終戦に挑戦出来るが、この間のピアノ選択は自由で、急変更をした演奏者もいたので衝撃を受けた。

自社のピアノを選択してくれる奏者が多くいても、その調律をそれぞれ対応することは不可能で、会場の音響とショパンの原曲を理解した上で調律師が独自の判断をする世界にもドラマがあった。

メーカーにとって入賞者が選択したという事実は何より説得力アップにつながるところから、数年を掛けてプロジェクト組織を立ち上げていたケースもあったが、このショパンコンクールの期間は、地元でも様々なイベントが組まれ、音楽の街となる環境はショパンの故郷ポーランドならではのものであろう。

このコンクールの参加条件には16歳から30歳という年齢制限があるので、5年に1回のチャンスとなれば運と不運に左右されることもあろうが、ピアニストにとっては最高の登竜門として考えられているので注目度は高い。

このコンクールが始まったのは1927年で、ショパンの命日である10月17日の前後3週間が期間となっている。

世界的な音楽コンクールとしてはこの他に「エリザベート妃国際音楽コンクール」と「チャイコフスキー国際コンクール」があり、これらを三大コンクールと称されているが、どの世界でも頂点を極めることは簡単ではない。

昔、我が家にもYAMAHAのピアノがあり、毎年やって来られる調律師の仕事を目にしながら楽しみにしていたことを思い出す。弦を叩くフェルト製のハンマーに細い針を何度か突き刺すだけでも音が変化することを知ったし、低音域から高音域まで調律が終わってからご本人が確認のために演奏をされるレベルの高さにもびっくりだった。

私は司会という仕事の中で多くのコンサートの司会を担当したこともあるが、演奏者を褒めるより楽器のことに触れて紹介する方が奏者から喜ばれた事実があった。

「奏者が全身全霊を込めて演奏される時、ピアノは光り輝きながら幸せそうな表情を見せます」なんてキザなことコメントしていたことも思い出す。

今日の写真はワルシャワにあるショパンの像を。
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