2025-06-10
寂しい限り NО 10152
N眼には蚊が、耳にはセミが住んでいるなんて高齢者の言葉を読んだことがあったが、私も同じような症状が出て悩まされており、今後の生活に不安が生じている。
施設へ入居する道もあるが、秒的な偏食のある私には無理で、入居すると同時に痩せ細ることになると想像すると難しい。
私の偏食は様々な悲喜こもごもな体験を生んでいる。20台の頃、夫婦で招待された片山津温泉で、しんじられない用の豪華な食事の接待を受け、仲居さんがお食事がすまれたら9番にお電話をください」と言われて出て行かれたので30分ほど食事をして電話を掛け、食事が終わったことを伝えたら、すぐにやって来られた仲居さんがテーブルの上の様子を見られてそのまま出て行かれ、5分も経たない内に女将さんが来室され「何か不具合がございましたか?」と聞かれたので、ただ偏食があってと答えると「先に伺っておくべきでしたと言われたので、先に聞いていただけたらよかったのにと返した。
キノコ類はマツタケを含めてダメだし、カニ、エビは一切ダメなのだからどうしようもなく、テーブルの上に残された甘えびの皿がかすかに揺れていた。
夫婦で小樽へ行った時も印象に残っている。小樽駅で乗車した個人タクシーの運転手さんが、ホテルの名称を伝えると「怖~いホテルです」と言われたので幽霊でも出るのではと恐る恐る到着したら立地が絶壁の上で、部屋の窓から海を見るとまさに絶壁だったので震えた。
部屋はバリアフリーでお願いしており、このホテルがこだわる軟水の浴室もよかったが、何より特筆すべきだったのはフレンチの夕食で、フロントでカニがダメだと伝えると私の料理はヒラメのムニエルに替えてくれ、添えられていたメニューにもシェフの苦労が感じられた。
夫婦で3回目の洞爺湖に行った際、フロントで「3種類のカニがご用意されています」と言われたので事情を伝えたら、大変なご苦労をされて変更くださった。
3人でニセコの温泉に行った際、女将さんに偏食について手紙を出したら、私だけ好みのメニューで対応くださり、料理長さんがメニューまでご準備くださっていて感動したこともあった。その旅館は「紅葉音(あかばね)」という名称だったが、帰阪して半月ほど経った頃に観た旅番組で料理長さんが登場されてびっくりした。
同じメンバーで佐賀県の呼子に行った際、これで食事が終わったと思っていたら佐賀牛のステーキが出てきて信じられない体験をしたことも忘れられない。
夫婦で旅行をすると妻が私の料理を食べることになり、いつも太るからいやなんていっていたが、もうどこへも行きたくなくなったので寂しい限りだ。